石油化学部会

 石油化学とは、原油を蒸留・分解・精製してえられた化学原料を、なるべく環境に負荷を与えず高効率に目的とする化合物(プラスチックや各種原料・材料)へと導く化学です。
 現在、国内の石油精製・石油化学は大きな変革期を迎えています。従来の『中東を中心とした原油輸入、その蒸留と分解・精製、それによる自動車燃料と化学原料の同時生成』、という流れは、こんにちまで巨大な産業システムに組み込まれて円滑に動いてきました。
 一方で、自動車燃費の大幅な向上が主たる要因となり、ガソリン需要が大幅に減退する中、このような蒸留と分解・精製で、燃料と化学品を同時に作る枠組みに歪み・綻びが見えてきていると同時に、国際的には、北米のシェールガス革命などをきっかけに天然ガス由来の安い化学品合成に産業がシフトしつつあります。
 資源を持たない我が国では、原油のみならず非在来型の重質な資源(オイルサンドなどのビチュメン)、天然ガス中のメタンならびに随伴軽質炭化水素(エタンなど)、石炭ガス利用による化学品生産、バイオマス由来の資源、などの活用も視野にいれて研究開発を進めていく必要があります。石油学会の石油化学部会は、従来のプロセスのさらなる発展のみならず、次世代の化学品製造のためのプロセスや触媒、原料多様化などを見据えた研究開発をサポートするための研究者集団です。精製部会とも連携を取りつつ、シンポジウムの開催などを行って、国内外の現状の理解を深め、今後を見据えた研究開発を共に考えてまいります。

略年表
1967年 石油学会の第4部会として発足
1970年 石油化学討論会を開始
1973年 石油化学部会と改称
1996年 石油学会研究発表会と合流し、石油・石油化学討論会を開始

    開催シンポジウム一覧

 

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