平成25年度精製講演会 変貌するエネルギーと石油産業における技術的対応

日時 :2013年10月24日(木)
会場国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟501室
     (東京都渋谷区代々木神園町3-1)
交通 :小田急線「参宮橋駅」徒歩7分、東京メトロ千代田線「代々木公園駅」4番出口徒歩15分
 

プログラム

<司会:三菱重工業(株) 小椋和正>

開会あいさつ(9:30〜9:40)

精製部会長[コスモ石油(株)] 岩田育章

1.基調講演 石油産業の将来展望(9:40〜10:30)

経済産業省資源エネルギー庁 資源燃料部 石油精製備蓄課長 竹谷 厚 氏

2.シェール・ガス革命と日本の石油精製・石油化学産業への影響(10:30〜11:20)

和光大学 経済経営学部 経済学科 岩間剛一 氏
 シェール・ガス革命は従来の石油・天然ガスの資源量を一挙に増加させるのみならず、日本経済ひいては世界経済全体にも重大な影響を与えるほどの展開を見せている。安価で大量のシェール・ガス、シェール・オイルの生産は、これまで資源枯渇のリスクに直面していた石油精製・石油化学産業に無限の可能性を開くフロンティアとなってきた。そうしたシェール・ガス革命の最新動向について、詳細に解説する。

3.HS-FCC技術の商業化に向けて(11:20〜12:10)

JX日鉱日石エネルギー(株) 製造技術本部 小笠原 巌 氏
 HS-FCC(High Severity FCC:高過酷度流動接触分解)プロセスは、中長期的に需要が減退する重油から、今後も需要増が見込まれるプロピレン等のライトオレフィンの生産量を飛躍的に高めた当社開発技術であり、そのプロピレン収率は従来型FCCの約4倍に達する。2011年から日量3,000バレルの実証化装置の運転を行い、現在も順調に稼働中である。

休憩(12:10〜13:10)
<司会:千代田化工建設(株) 安井 進>

4.石油産業の成長戦略とコンビナート連携(13:10〜14:00)

一橋大学大学院 商学研究科 橘川武郎 氏
 国内需要が減少するなかで、石油産業の成長戦略はどうあるべきかを考察する。その成長戦略は、(1)ノーブルユースの徹底、(2)ガス事業・電力事業への進出、(3)アジア市場向けニッチ型石油製品輸出、(4)アジア(海外)での製油所建設、の4点から成るであろう。このうち、(1)については、コンビナート高度統合が重要な意味をもつ。本報告では、これらの論点について掘り下げる。

5.ディーゼル車の動向(SKYACTIV-Dを中心に)(14:00〜14:50)

マツダ(株) パワートレイン開発本部 高松宏志 氏
 弊社では、内燃機関の劇的な効率改善を軸としたベース技術の進化を最重要課題の一つとして取り組んでいる。この度、世界一の低圧縮比と高効率過給を組合せた独創的な技術コンセプトにより、走る歓びを体現する加速性能と優れた環境性能(クラストップの低燃費と高価なNOx後処理無しでポスト新長期に適合)を両立した新世代クリーンディーゼルエンジン(=SKYACTIV-D)を開発した。CX-5及びアテンザに搭載して、日本におけるディーゼル乗用車市場を新たに創出し、また、軽油の国内消費促進などエネルギー政策にも貢献している。

休憩(14:50〜15:00)
<司会:東洋エンジニアリング(株) 松井幸之助>

6.ペトロリオミクス技術開発への取組み(15:00〜15:50)

(一財)石油エネルギー技術センター 石油基盤技術研究所 中岡哉徳 氏
 分子レベルで石油成分の組成・構造、及びその反応性を理解し、その情報を活用することで精製プロセスに革新をもたらすであろうペトロリオミクス技術の開発に取り組んでいる。技術開発に当たっては、基盤技術開発と並行して実証技術開発も進めており、基盤から実証へと繋げるための新規要素技術の開発もまた重要である。ペトロリオミクス技術開発とその活用に向けたJPECの取組みについて紹介する。

7.水素の大量貯蔵・輸送技術(SPERA水素)の開発(15:50〜16:40)

千代田化工建設(株) 研究開発センター 今川健一 氏
 地球温暖化抑制の観点から注目されている水素について、千代田化工は水素を液体化して常温常圧で輸送可能とするSPERA水素技術(有機ケミカルハイドライド法)を開発しており、その技術概要及び開発状況を紹介する。

閉会あいさつ(16:40〜16:50)

プロセス分科会委員長[日揮(株)] 白石 浩

 

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