論文賞
ロジウム/セリア/シリカ系触媒を用いたセルロースの接触ガス化:コークの燃焼およびタールの改質
冨重 圭一殿,宮澤 朋久殿,Mohammad Asadullah殿+1),
伊藤 伸一殿,国森 公夫殿(筑波大学)
最近,バイオマスのガス化による発電や高品位輸送用燃料への転換が非常に注目されている。 ガス化効率を上げるためにはガス化温度は低い方が望ましいが,バイオマスのガス化はタールトラブルを避けるために一般に非常に高温(800〜1100℃)で行われる。 これまでに,タールトラブルを解決してガス化温度を下げるために,タール改質活性をもった種々の触媒が開発されてきたが,それらの多くはコーキングやシンタリングによって劣化することが大きな問題であった。 これに対して,著者らは高いタール改質反応活性とコークの燃焼反応活性を併せ持ったRh/CeO2/SiO2系触媒を開発し, その有効性について流動層反応器を用いて550℃という低温でセルロースをガス化することにより明らかにした。 触媒の耐久性や実際のバイオマスのガス化への適用の可能性は課題として残るが,本論文は従来とは異なる新しい触媒を開発し,バイオマスの接触ガス化に新しい指針を与えたものと評価できる。
以上の点から,本論文は本会表彰規程第6条に該当するものと認められる。
(現在)
+1)University of Rajshahi,Bangladesh[対象論文] J. Jpn Petrol. Inst.,46, (1), 69 (2003).
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