論文賞

SO2共存下におけるPt-Li2O/TiO2-Al2O3触媒のNO吸蔵還元特性

 

室山 広樹殿,北川 恭平殿+1),神内 直人殿+2),松井 敏明殿,江口 浩一殿(京都大学)
(所属は論文発表時)

 自動車用NOx吸蔵型触媒を用いたNOx低減において,活性金属上でのNOx吸蔵量のさらなる向上が期待されている。著者らは,1 wt% Pt-10 wt% Li2O/TiO2-Al2O3触媒を含浸法で調製し,TiO2-Al2O3混合担体がSO2共存下におけるNO吸蔵還元特性に与える影響を検討した。
 Pt-Li2O/TiO2-Al2O3触媒は,既報のPt-Li2O/Al2O3触媒よりも低い表面積およびNO吸蔵量を示した。しかしながら,Pt-Li2O/Al2O3触媒ではSO2共存下でのNO吸蔵還元反応においてNO吸蔵量が顕著に低下したのに対して,Pt-Li2O/TiO2-Al2O3触媒では高いNO吸蔵能が長時間にわたり維持することを見出し,TiO2-Al2O3担体がSO2共存下における継続的なNO吸蔵に対して効果的であることを明らかにした。さらに,Pt-Li2O/TiO2-Al2O3触媒の調製方法を検討し,調製法がNO吸蔵量と結晶相に影響を及ぼしていることを明らかにした。含浸法で調製した触媒ではLi2TiO3相の強い回折ピークが認められ,このLi2TiO3相の生成が触媒の塩基性度を弱めることによって,硫黄成分への被毒耐性の向上をもたらすと,著者らは推論している。
 本論文は,従来の触媒を改良することによる新しい触媒を報告し,その触媒反応機構を明らかにしたものと高く評価できる。今後,触媒の耐久性や実排ガスへの適用に関するさらなる研究の発展が期待される。よって,本論文は本会表彰規程第6条に該当するものと認められる。

[対象論文] J. Jpn. Petrol. Inst. , 54, (6), 366 (2011).
+1)(現在)日本電工(株)
+2)(現在)名古屋工業大学

 

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